黒崎
育児休暇からの復帰後も『保険クリニック』のコンサルタントとして活躍中。妊娠・出産を経験して、お客さまの子育ての大変さなどに共感できることが増えたことも収穫のひとつ。
片野
妊娠するともっと食べられると思っていたが、妊娠性糖尿病なども心配で仕事中の間食を控えていた。出産後も、体型維持に励んでいる。
浅野
妊娠中は、当時徒歩10分の会社へ出勤するのも大変なほど悪阻に悩まされた。今は、息子とお酒を飲める日を楽しみにしている先輩ママ。
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ちょっぴりきになるあのギモンを、女性にだけ聞いちゃいました。実際のところ、みんなはどう思っているの?女子のホンネを探ります。
マタハラに負けない母は強し!
自治体・会社・同僚の配慮…共働き家庭の出産前後の働き方の実情とは!?
2015年4月、育児休暇からの復職者が相次いだことをきっかけに、妊娠・出産経験者による座談会を開催しました。
日本の成長戦略として女性の社会進出が推進されている中、妊娠中に言われた心無い一言、職場での不当な解雇…など、働く妊婦を取り巻く環境が話題になっています。妊娠や子育て中に働くことの大変さや反対に良かったことは?など、妊娠・出産経験のある20~40歳の女性に実施したアンケートをもとに、ざっくばらんに語り合いました。
黒崎
育児休暇からの復帰後も『保険クリニック』のコンサルタントとして活躍中。妊娠・出産を経験して、お客さまの子育ての大変さなどに共感できることが増えたことも収穫のひとつ。
片野
妊娠するともっと食べられると思っていたが、妊娠性糖尿病なども心配で仕事中の間食を控えていた。出産後も、体型維持に励んでいる。
浅野
妊娠中は、当時徒歩10分の会社へ出勤するのも大変なほど悪阻に悩まされた。今は、息子とお酒を飲める日を楽しみにしている先輩ママ。
— ショッキングな発言がまず目についてしまいましたが、アンケートで『妊娠は病気じゃない』(Q6)と言われたという人は何人もいました。女性から言われることが多いようです。
浅野:ひと世代前の出産経験者は特にそういった考え方が根強いんでしょうね。あとは、女性の社会進出が推進されている今ほど、社会制度も充実してなくて厳しい状況での出産・子育てを経験したという状況もあると思います。
片野:その人は、それで嫌な気持ちにさせているということに気づいていないんでしょうね。
浅野:自分がその立場になっていわれたら嫌だと思うかもしれないけどね。母がよく私に言っていたのと同じ感覚なのかな、とも思います。
黒崎:母親の時と比べて、考え方が違う事も多いんですよね。例えば、妊娠中に食べてはいけないと思っていたものがそうじゃなかったり、昔は赤ちゃんの分も2人分食べなきゃって言われていたものが、今は体重管理が厳しかったり…。
浅野:そう言われる事は昔からある事だけど、セクハラやパワハラが取りざたされるように、「マタハラ」も、今になって出てきた感じですよね。
— 仕事面での配慮は半数近くが「何もない」と回答(Q4)しています。配慮があったという人は、重労働や立ち仕事の免除といった体力面での配慮や、勤務時間の短縮や病院に行く時間の確保などの働き方の融通でした。
浅野:通院のため午前休ください、とか基本的に自分から言わないと配慮してもらえるものではないですよね。
片野:重い物を持つ時とかも、個人の気づきによるところが大きいと思います。
— それは、男女差があったりしますか?
黒崎:男女差というより、その人によると思います。もちろん女性で経験されている方の方が分かってもらえることは多いですが、私の妊娠中は、独身の男性の方でも協力をお願いすると「いいよ!」と優しく受け入れてくださいましたし。周りの社員の理解にも恵まれていたと、感謝しています。
片野:社会の制度や勤務する会社の規程についても同じだと思います。私は妊娠したと分かって、自分で規程を見ていろいろ知りました。適用するにはどうすればいいかを担当部署に聞いたのですが、それについて上司も知らなかったようです。
浅野:役職者も必ず知っているとは限らないですよね。
片野:自分に有益な情報を得るには、妊婦は自分で勉強しないとね!
— 話題のマタハラは実際に経験した人は意外に少なくてほっとした、という印象ですかね。ですが、10%以上は嫌だった経験があるようです。そのうち一番多いのが解雇や契約打ち切りで、派遣社員や契約社員のパーセンテージが高めです。(Q5)
浅野:まる1年間穴が開いてしまうと考えると、会社としてどうしても、というのも分からなくはないですが…。
— ここには記載していないですが、「言われて嫌だったこと」として、妊娠して「退職する」とは何も言っていない段階で既に求人を出されて新しい人が入ってしまったからやめざるを得なかった、という声もありました。
黒崎:大企業であればあるほど、そういうパターンが多いのでしょうか?
浅野:最近は、女性も子供を産む年齢が高くなっているから、その時にはある程度重要な仕事や役職を持っている可能性もありますよね。
— その場合も、妊娠がきっかけで仕事がこれまで通りにもらえなくなったり、外されたりはあるようです。そうでなくても、正社員に関しては8時間以上勤務がほとんど(76%)で、残業もしていた様子が分かります。(Q6)
黒崎:周りの人が遅くまで残業していると、帰りづらい空気はあるかもしれないですね。
片野:妊娠すると、悪阻だけじゃなくて頭痛や眠気などいろんな不調が出てきて、残業が難しい時期もありますよね。それに考慮した規程なども、男性だと特に理解してもらうのは簡単ではないかもしれないですね。
— 女性でも、私のように未経験者だと、こうやって話を聞かないと分からない事は正直たくさんあります…。だから、どういう発言などがいわゆる「マタハラ」になるか、も分からない可能性はありますよね。
黒崎:自分が平気だからやっているのであればいいとしても、体調的に厳しいのに皆さんそれを強要されているのであればそれはひどいな、と思います。
浅野:私は妊娠中にも夜9時や10時まで仕事して、産休に入ったのも予定日の2週前ぐらいだった気がします。その会社では毎月出張があるような営業職だったのですが、悪阻がひどくて事務に変えてもらいました。事務に移ってからも忙しさは変わらず休日出勤も多くて…。私の場合は残業を強要された、というより状況的にそうせざるをえませんでしたね。
黒崎:私も、妊娠中も店頭で接客を通常通りしていましたが、外回りの営業ではないし、悪阻もそこまでひどくはなかったのですが…。昔は生後3ヶ月とかまでしか休みが取れなかったんでしたっけ?
浅野:そうです。私は生後3ヶ月過ぎて「復帰はいつ?」と急かされました(笑)。4ヶ月を迎える頃に、預けられる保育園を何とか見つけて職場復帰しました。ハードでしたね~!
— 妊娠中のトラブルは、小さいものを含めて3割近くの人が経験しています(Q8)。10人中3人と思うと多いのでしょうか。
黒崎:私は尿検査で糖が少し出たぐらいですね。妊娠性糖尿病の検査で、臨月になると出やすいみたいですね。
— 実際に妊娠性糖尿病になったという回答もありましたよ。
黒崎:大きなトラブルはなくても、悪阻の症状でも十分悩まされますよね。通勤の電車は何度か我慢したことがあるし、その他にも臭いなどちょっとした刺激で辛いことはありました。コンビニのいろんなものが混ざった臭いも嫌だった時は、極力入らないようにしていました。
— 臭いで気持ち悪くなると言う話はよく聞きますけど、経験していないから何がダメなのか分からなくて。「妊婦さんの近くでカップラーメンの臭いはさすがに…」と気を遣っても、他にも気づいていないところで迷惑をかけてしまっているんじゃないかと思うことはあります。
黒崎:それも、人によって違ったり、時期によっても変わったりするものなんですよ! 5ヶ月程でおさまって食欲がわく人もいれば、しばらくつらい人もいるし。
浅野:初産の年齢も上がってきているので、妊娠中のトラブルが多いというのもあるかもしれないですよね。
片野:それに加えて、仕事上のストレスも少なからずあるでしょうし。
黒崎:あと、出産まではそうでもなかったのですが、授乳でお腹が空くと好きな白米をもっと食べるようになって、太ってしまいました…。かといって、きちんと食べないと子育ては体力勝負だから、無理はしない程度にと思っていますが、なかなか思うように減りませんね。
— 妊娠が分かった時、退職した人が半数以上で、産休・育休の利用者は4割未満という結果が出ています(Q9)。対象が20-40歳と若めなのにこの退職率は意外だと思いましたが、確かに、20代後半でも妊娠で退職した友人は多いです。
片野:正社員から退職するのは、もったいないと思いますけどね。
浅野:私の周りを見ても、やめた人は結構いるかも。そのまま専業主婦の人もいれば、ある程度子供が手を離れてからパートなどで復帰するとか、ですね。
— 妊娠で一度やめて、正社員で戻れる人は多いものですか?
浅野:年齢にもよるでしょうね。友人の話では、保育園に預けられて産休明けで復帰したけど、子供の熱などで早退する事が頻繁で会社をクビになったという人もいたので、復帰後の環境にも左右されると思います。
片野:それは周りからいづらい空気にされてしまう、という部分も大きいんでしょうね。
黒崎:お客さまの相談予約が入っている日に、子供の体調不良で休まないといけない時があって…。周りの社員に協力をお願いしたり、お客さまには日程変更をお願いしたり、焦ったことはあります。
片野:そういう時は実家が近い人は何かとお願いできる人がいるから、うらやましいです。
黒崎:私は、自分も旦那も実家が遠いから、自分で全部なんとかしないといけないという状況です。旦那の仕事も帰りが夜遅くて何もできない状態ですし。
片野:結局、負担はお母さんに来るんですよね。
浅野:そう!それは訴えたいっ!「仕事をしているのは同じなのに、明らかに私の方が役割多いじゃん!」って、今更ながら文句を言いたい(笑)
片野:すべての家庭とは限りませんが、男性社員の長時間労働が女性に降りかかってきて、結局辞めなきゃいけない、っていう状況もありえそうですよね。
— 会社だけでなく、各自治体での支援制度などはどうですか?
黒崎:保育園や幼稚園以外でも一時的に子供を預けたり、送り迎えをお願いできるような市の制度があって、一度利用したことがあります。市区町村で違うとは思いますけど、何かしらの制度はあるかもしれないから調べてみることをおススメします。あとは、市のイベントなどで子供が集まれる場所があるので、積極的に出くようにはしています。そこでママ友も見つかるし、保育士さんに相談もできて情報収集の場としても活用できます。
浅野:会社の規程もそうですけど、市区町村もそういった制度についてもっと積極的に発信してもらえるとありがたいですよね。母子手帳を取りにいった時に、メルマガに登録して定期的に情報を送ってくれるなど仕組みがあってもいいのにな、と思っていました。あと私の時は、育休が1歳までではなかった代わりに、預けるところを確保してほしいと思いました。今では大企業では会社の中に併設の保育所があったり、女性の働き方の多様化に合わせて、24時間預かりのところも増えてきているみたいですしね。
黒崎:私の住んでいる市では、保育園の増加や幼稚園での一時保育や延長保育もやっていたりして、子供を預けやすくはなっているみたいです。
浅野:やっぱり預け先が見つからない状況だと、一番空きがある4月入園に合わせて産む時期まで考えてしまいますよね。
片野:けど、タイミングまではさすがに…。授かりものですからね。
— 最近よく聞きますが、『小1の壁』って本当にあるんですか?
浅野:保育園ママたちと、「どうする?」って話はしていたかもしれないですが、小学生になっても学童でわりと遅くまで預かってくれていた気がするので、あまり意識はしなかったです。ただ、一人だったり大人の目が届かない行動範囲が増える、という心配は確かにありました。
片野:GPS機能の付いた子供用携帯や、学校でのセキュリティー対策として子供の下校が親に知らされる、というのも今でこそありますけどね。
黒崎:確かに一人にさせるのは心配です。保育園で9時など遅くまで預けられるとしても、寝る時間やご飯の時間も考えるとなるべく早く迎えに行ってあげたいですよね。
— お迎えも大変そうで、当社の男性社員でもスケジュールに「17:00おむかえ」と入っていて、定時になると早足で帰っている人もいましたよね。
片野:すごーい!
浅野:そういう旦那さんを見つけたかったー!
黒崎:確かに保育園でもお父さんがお迎えに来てる人もいますね!うらやましいです。
半数以上が退職!産休育休利用者は約39%
妊娠・出産後の仕事復帰はまだまだ厳しい現実!!
政府の成長戦略の中で、「女性が輝く日本」があげられています。でも、日本の現状は、世界経済フォーラムが毎年発表している「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート」(2014年度)によれば、女性の社会進出度の日本の総合ランキングは142カ国中104位。これは先進国の中で非常に低い水準です。今回は妊娠・出産と仕事について妊娠・出産経験のある20歳~40歳の女性500名を対象にアンケートを実施しました。
20歳~40歳までの女性500名に妊娠が分かった時の雇用形態を聞いたところ、「正社員」が52.0%(260名)で1番多いことが分かりました。
続いて、「パート・アルバイト」、「派遣社員」と続いております。
職場へ妊娠報告をすることに躊躇したか聞いたところ、「躊躇した」と答えたのは46.2%(231名)でした。
勤務形態別にみると
正社員:49.6%
派遣社員:47.5%
パート・アルバイト:41.6%
契約社員:41.2%
正社員の2人に1人は報告に躊躇したことが分かりました。
産休は出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)からです。
妊娠何ヶ月まで働いていたか聞いたところ、62.6%(313名)が妊娠8ヶ月以降まで働いていたことが分かりました。
中には妊娠9ヵ月まで働いていた方も・・・全体の16.8%を占めています。
妊娠中に職場からの配慮があったか聞いたところ42.6%(213人)は「何もなし」だったことが分かりました。
配慮があった287名の中で多かったのが
となっています。
『マタハラ』とはマタニティハラスメントの略で、働く女性が妊娠・出産などをきっかけに職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、妊娠・出産を理由とした解雇や雇い止め、自主退職の強要で不利益を被ったりするなどの不当な扱いを意味することばです。
今回のアンケートでは16%(80名)がマタハラにあっていたことが分かりました。その内の41.3%(33名)が解雇や契約打ち切りの話をされています。
正社員の5.4%、契約社員の11.8%、派遣社員の15%、パート・アルバイトの5.4%にのぼります。
妊娠中に平均で1日何時間働いていたか聞いたところ53.4%(267名)は平均1日8時間以上働いていたことが分かりました。
勤務形態別でみると8時間以上の勤務者は
正社員:76.2%、契約社員:64.7%、派遣社員:42.5%、パート・アルバイト:18.1%となっています。
なかでも、9時間以上勤務していた9.2%(46名)の95.7%は正社員です。
妊娠中にトラブルがあったか聞いたところ、31.4%(157名)に何らかのトラブルがあったことが分かりました。
その中でも多かったのが「早産しそうになった」の38.2%。
そのうち正社員が61.7%を占めていました。
その他の意見では不正出血や貧血、悪阻などがあげられています。
妊娠・出産後の仕事をどうしたのか聞いたところ52%(260名)は退職。産休・育休を利用したのは39.2%(196人)でした。
正社員260名の中で産休・育休を利用した人は61.2%(159名)にのぼります。
契約社員、派遣社員、パート・アルバイトの方になると、利用できたのは15.4%(37名)のみと言うことが分かりました。
出産後の仕事復帰は子どもが何歳の時だったか調べてみると、ダントツで多かったのは「仕事復帰していない」で36.2%(181名)、続いて育休明け10.6%(53名)、産休明け8.4%(42名)でした。
産休明けは産後8週間、育休明けは子どもが1歳まで(一定の場合は1歳6ヵ月まで)
一度は退職したけど、仕事に復帰した人は79名。その中で一番多かったのは子どもが2歳7ヶ月~3歳でした。
政府の成長戦略の中に、女性の社会復帰を後押しする政策が盛り込まれていますが、女性が出産後に仕事復帰するには、まだまだ多くの課題が残されています。
子どもの預け先の問題や会社の中での育ママに対する制度や社内の理解など・・・子育てと仕事が両立できる社会にするには多くの人の協力がとても大切です。
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