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私は30代で、親は50代後半です。両親で会社を経営していましたが、倒産して、今は両親ともアルバイトをしています。貯蓄はかき集めても100万円はないと思います。
そんな状態なのに、落ちぶれたと思われたくなくて、家賃が12万円のところに住んでいます。いくら言っても安いところに住み替えようとしてくれません。どちらかが、病気でもしたら、一人っ子である私が面倒を見なければならないのですが、私にも子どもがいて、子どもたちの教育費などを貯めることを考えると、親に援助するような余裕はありません。どのように促せば、安い家賃のところに引っ越してくれるでしょうか。
親御さんとお金の話をするのって、とっても難しいですよね。とはいえ、改善を促さないと、ご相談者自身、あるいは自分の子どもたちとの生活が脅かされたり、教育資金が不足してしまいます。今日、明日での引っ越しは無理でも、1年以内には引っ越しを実現して、少しでも生活コストを抑えてもらいましょう。
引っ越し先は、今とは利用駅の違うエリアをおススメしたいところ。今と同じエリアでより家賃の安いところに住み替えると、親御さんの“落ちぶれたと思われたくない気持ち”を逆なでする形になりかねないからです。アルバイトを継続するために、遠い場所への引っ越しは難しいならば、1~2駅くらい離れた場所への引っ越しが適当かもしれません。
親御さんに引っ越しを促すためには、援助できる余裕がないことを、ライフプラン表を作成して見せてはいかがでしょうか。「困った時には援助してあげたい気持ちはあるけれど、現実的には教育資金の準備で手一杯。だから、家賃を下げて、自分たちの老後資金を少しでも貯めて欲しいの」という気持ちを伝えるためのデータを渡して考えてもらうのです。その際は、親御さんの分もライフプラン表を作って、埋めていってもらうように促しましょう。会話だけでのやりとりで進めるよりも、厳しい現実が伝わると思います。
そして、ご両親が年金をもらい始める年齢になったり、年齢的にアルバイトが難しくなってきたら、さらなる住み替えの検討が必要かもしれません。その時に備えて、コストの安い住み替え先を探しておくこともおすすめします。
たとえば、コストを抑えられる住み替え先として、ケアハウス(軽費老人ホームC型)が挙げられます。ケアハウスは、60歳以上で、介護認定を「受けていない」方が共同で暮らすところ。共同と言っても、部屋は独立していて、トイレもあります。食堂やお風呂が共同になり、食事は原則として3食とも提供されます。
ケアハウスの居室は狭いですが、メリットは収入の少ない方ほど、負担も少なくなること。事務費に助成があるからで、年金額の少ないご夫婦なら、2人分で10万円台の負担で住めるところもあります。この金額の中には食費も入っていますので、自分たちで家賃を払って、食費などをやりくりして暮らすよりも、生活費総額は少なく済むと思います。また数は少ないですが、夫婦部屋を設けているケアハウスもあります。
アルバイトを辞めた後は、住むエリアにそれほどこだわらなくてもいいはずなので、できるだけきれいなケアハウスを探すのがポイントといえるでしょう。きれいで、夫婦部屋が空いているケアハウスを探すのには時間がかかりますので、親御さんが60代になられたら、少しずつでも見学をスタートさせることをおすすめします。
(2015年10月 畠中 雅子)
※個別の試算等に関するご相談につきましては、最寄りの社会保険事務所、年金事務所に直接お問い合わせください。
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