年金や相続、老後資金をFPに相談相続対策になる保険はありますか？

今年（平成27年）から、相続税の基礎控除額（相続税がかからない部分）が縮小され、実質的に相続税が増税となりました。新たに相続税の対象となる人が増え、相続対策に関心が高まっています。生命保険の保険金には、相続税が非課税となる部分があり、相続対策の1つとして注目を集めいています。

人が亡くなった時に保険金が出る生命保険には、2つのタイプがあります。1つは、一定の期間だけを保険の対象とする、掛け捨ての保険です。保険の対象期間を過ぎると何も戻ってきませんが、その期間は安い保険料で大型の保障が得られます。

もう1つは、一生涯が保険の対象になっている、「終身保険」と言われるものです。いつかは必ず保険金が出ますので、こちらは掛け捨てではありません。その代り、掛け捨ての保険に比べると保険料は高く、保障はそれほど大きくありません。

この「終身保険」、保険を解約した際に戻ってくる「解約返戻金」が多く、貯蓄商品として利用することもできます。過去には、保険料を1回ですべて払ってしまう「一時払い」タイプのものが〝貯蓄商品〟として人気だった時代もありました。銀行で保険商品を販売するようになると、「一時払い終身保険」は預貯金よりも運用利回りがよい、ということで飛ぶように売れたのです。ただ、今後は金利が上昇するという見通しが強まると、確定利回りである終身保険の魅力が薄れてきてしまいました。

このところは、相続対策としての魅力で、再び注目されるようになっています。「一時払い終身保険」は80代でも加入できる商品がありますので、今から加入を検討できます。

生命保険は、一家の大黒柱に万が一のことがあった際に遺族の生活を守る保障の役目を持っています。それだけに、死亡時に出る保険金については、一定の範囲で相続税がかからないようになっています。

法定相続人（相続権がある人）1人につき、500万円までは相続税の対象からはずれます。もともと遺産が一定の範囲内であれば相続税はかかりません。その範囲を超えた分については、10～55％の相続税がかかります。生命保険の死亡保険金も相続税の対象となっていますが、上記の金額の範囲内であれば、対象からはずれることになります。

法定相続人が2人であれば、500万円×2人＝1,000万円となり、この範囲の保険金は相続税の対象から除外されます。税率が10％であれば、相続税は100万円少なくなるわけです。これだけの節軽減効果があれば、たとえ運用利回りが良くなくても、遺族にとっては十分な魅力となります。

「一時払い終身保険」は、多くの保険会社が商品を出しており、いろいろなタイプがあります。最近では、運用利回りが高い外貨建てのものに人気があります。しかし、相続対策が加入の目的であるのならば、運用利回りなどを気にする必要はありません。確実に保険金が確保されるものを選ぶとよいでしょう。

もっとも加入するのは、被相続人となるお母様ご自身です。お子様方が「相続対策になる」といっても、ご本人が納得しなければ加入はできません。お母様のお気持ちを尊重された上で、ご相談されてみてはいかがでしょうか。

※個別の試算等に関するご相談につきましては、最寄りの社会保険事務所、年金事務所に直接お問い合わせください。

人生の中でお金や保険の疑問は絶えないものですよね。例えば結婚した時、子どもが生まれた時、退職した時など、その時々で最適な資産設計や加入する保険はどうすれば良いのかと考えるのではないでしょうか。少しでも悩んだ時はお近くの保険クリニックで無料でご相談ください。

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