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家計のやりくりをFPに相談中学生と小学生の子どもがいます。毎月の貯蓄ができない状態なのですが、家計費のどこに問題がありますか?

中学生と小学生の子どもがいます。子どもたちの塾代がかかる前は、年間で100万円くらいの貯蓄ができていました。ところが最近は、やりくりがうまくいった月でも、収支がプラスマイナスゼロといった感じです。夏期講習や冬期講習のような特別支出は、主人のボーナスから何とかねん出しています。車は手放したので、ボーナスからは少しだけ貯蓄に回せていますが、家電の買い替えなどがあると、ボーナスからの貯蓄ができないこともあります。

家計費を見ていただいて、まだ見直せる余地はありますか?

【現在の家計収支】
収入
28万円
8万円
 合計 36万円
支出
住宅ローン 8万6000円
食費 4万円
外食費 1万円
水道光熱費 2万円
通信費(プロバイダ料含む) 3万4000円
日用雑貨費 1万円
交際費 5000円
夫こづかい 1万円
妻こづかい 5000円
被服代 1万円
教養娯楽費 5000円
子ども費(塾代、こづかいなど) 7万5000円
保険料(学資保険2人分含む) 4万円
その他 1万円
支出計 36万円
貯蓄残高 950万円

FPからの回答

「現状維持を目標」にするのが現実的なやりくりライン

結論から言いますと、家計費の中に大きく見直しができる費目はありません。通信費が多めですが、お子さんはすでにスマートフォンを所有されているのでしょうか。

いずれにしてもお子さんが高校生になると、スマートフォンは必須アイテムになります。子どもたちはLINEのやりとりで情報伝達や情報共有をしていますので、高校生になられたら、スマートフォンの所有を禁止するのは難しいでしょう。下のお子さんが高校生になったら、親の分と合わせて4台のスマートフォンの費用をどのようにねん出するかも課題になりそうです。

家計費の見直しとして候補に挙がりやすい食費も、外食費を入れても手取り月収の14%弱。中学生のいる4人家族としては、かなりやりくりをされている様子がうかがえます。月に7万5000円の子ども費がかかっている中で、こづかいをご主人は1万円、奥様は5000円に抑えるなど、我慢をしながら頑張っていらっしゃる様子がうかがえます。

家計相談の答えにはなっていないかもしれませんが、家計費の中に削減できそうな費目がないため、削減して貯蓄にまわすよりも、「収支がプラスマイナスゼロ=赤字にしないのを目指すのが現実的ではないでしょうか。同時に子ども費の7万5000円は、家計が負担できるMAXの金額と考えて、7万5000円の中で塾代や子ども費を納められるように使い方を考えるのが適切だと思います。

大学時代は年間収支の赤字もやむなし

この先、高校受験に向けて塾代の負担が増えていく可能性も高いはずです。塾側から勧められると、今より負担が増えても止むなしと、費用の追加分を受け入れてしまうかもしれません。

とはいえ、教育費負担は高校受験の先にも続きます。今より増えると、お子さんが中学生の段階で、収支がマイナスになり、貯蓄が減り始めてしまいます。貯蓄が減るタイミングとしては、早すぎると思います。

大学時代に年間収支が赤字になってしまうのはよくある現象で、年間100万円を超える大学費用については仕方がない部分もあります。また大学時代までくれば、教育費負担の終わりも見えて、あとひと踏ん張りとなります。

これに対してご質問者のご家庭は、下のお子さんが小学生ですから、終わりを迎えるまでに10年くらいの時間が必要です。「今の家計は苦しいけれど、偏差値の高い高校、大学に進学させるためには多少の赤字は仕方がない」と考えて負担を増やすのは、のちのち、自分たちの首を絞めかねない、リスクの高い発想なのだと捉えたほうがよいでしょう。

私立高校がどのようなケースでも高いとは限らない

月の収支を赤字にしない努力とともに、高校の進学先を公立校にするのか、私立校も視野に入れるのかを具体的に考えてみましょう。「公立高校=安い、私立高校=高い」という図式がありますが、必ずしも結果はそうとは限りません。

我が家の例で言いますと、今年大学1年生になった息子は、私立高校に通い、高校の3年間、1度も塾に通いませんでした。学校に塾の先生が教えに来てくれていたからで、1講座数百円の負担で、塾の講師がおこなう授業を受けられました。負担額は学校によって異なりますが、このような試みを実践している私立高校は少なくないはずです。塾への交通費などを考えても、親側はとても助かりました。

また授業料などの学校に支払う費用に関しても、私立高校には各都道府県からの助成の制度が設けられています。居住地や所得によって異なりますが、10万円から30万円くらいの助成が受けられるのが一般的です。こうした助成を差し引きしますと、学校へ支払う実質の負担額は、見た目の学費より少なくなる現実も知っておいた方がよいでしょう。

公立高校へ進学して、毎月何万円もの塾代をかけるケースと、私立高校に進学して、塾代の負担はほとんどしないケースでは、トータルでの差は逆転することもあります。このような現実を踏まえつつ、進学先を決めるのが大切ではないでしょうか。

(2015年8月 畠中 雅子)

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