家計のやりくりをFPに相談無職ニートの30代息子がいる家庭の生活設計

最近は30代、あるいは40代や50代になっているのに、働いていない状態が続いているお子さんの生活の面倒を見ているというご相談が増えています。頑張って就職活動をしているのに、就職難もあってなかなか結果(再就職）に結びつかない方も少なくないようです。

ご相談者のように、就職活動で何社も断られているうちに、徐々に自信を無くされて、ハローワーク通いを敬遠するお子さんも少なくありません。親御さんとしても気持ちが焦るはずですし、そばで見守られているのもおつらいことと思います。お子さん自身が自活できるのが理想とはいえ、ここでは現在の状況が続くと仮定して、生活設計の立て方のアドバイスをしていきましょう。

親子の生活設計を考える際は、親側の生活設計から手を付けるのが基本です。お子さんにどのくらいのお金を遺せるのかを考える際、親御さんのほうの生活設計をきちんとチェックしないと、“絵に描いた餅”のように、計画倒れになってしまう可能性があるからです。「働いていないお子さんの生活が成り立つか」を考える際は、親側が年金生活を送る中で、「年間でいくらの赤字」が出ているのかをきちんと把握することが肝要なのです。

そのためには、昨年の家計簿を見るなどして、1年間の収支を計算してみてください。月々の家計費だけではなく、月の家計に入れていない特別支出も含めて集計することが欠かせません。家計簿を付けていないご家庭は、とりあえず予想額で年間収支を見積もるしかありませんが、これから最低でも1年間は家計簿を付けて、「年間収支＝１年間の赤字額」を正確につかむようにしてください。

年間の赤字額が把握できたら、奥様が90歳くらいまで生きるとして（これは可能性としても高いと思います）、その時点までの赤字額の累計を計算してみてください。計算して出た赤字額の累計を、現在の貯蓄から差し引いた金額が、お子さんに遺せる貯蓄額になります。

遺せるお金が計算できたら、そのお金でお子さんの生活が成り立ちそうかを考えます。成り立ちそうであれば、そのお金を現金で遺すか、別の手段で遺すかの検討に入れます。別の手段としては、お勧めする機会が多いのは、生命保険を活用する方法。現金で財産が残った場合は、法定相続人で分けるのが一般的ですが、生命保険の死亡保険金であれば、受取人固有の財産となり、他の相続人に分ける必要はありません。

「受取人固有の財産である」という性格を活かして、働いていないお子さんの生活に必要な金額を死亡保険で確保してしまう方法を検討されてはいかがでしょうか。いっぽう家を相続するのは、働いていないお子さんになるのが一般的なので、独立しているお子さんがいる場合は、「家を相続させてあげられない、お詫びの気持ち」として、独立しているお子さんを受取人として、生命保険に入ることも検討できます。これは、相続でもめるのを防ぐための方法なので、働いていないお子さんの生活が成り立つ程度の金額をあらかじめ取り分けた上で、他のお子さんに対して保険を活用して相続争いを防ごうとする考えです。相続時にもめて、独立しているお子さんと財産を分け合うことで、働いていないお子さんの生活が成り立たなくなるのを回避できるような努力をするわけです。

ただし親側の生活設計を立ててみたら、お子さんに遺すほどの資産が残りそうもないという場合は、今の生活を見直して、赤字額を抑える努力をしたり、お子さんにアルバイトでもいいので働いてもらえるように促すことも必要でしょう。いずれにしても、お子さんが40代に入られたら、お子さん自身の生活設計までを見据えた、プランの構築が欠かせないと思います。

人生の中でお金や保険の疑問は絶えないものですよね。例えば結婚した時、子どもが生まれた時、退職した時など、その時々で最適な資産設計や加入する保険はどうすれば良いのかと考えるのではないでしょうか。少しでも悩んだ時はお近くの保険クリニックで無料でご相談ください。

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